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ウィリアム・ワイゲル

作曲家・元トランペット奏者。ニューヨーク在住。

 

室内楽作品を中心に、声楽曲、宗教作品、短編オペレッタなど、多彩な作品を手がけている。主な師はハロルド・セレツキー、ベルジュ・カラジアンの両氏で、その音楽的系譜はヨーゼフ・シュミットを通じて、アルバン・ベルク、アルノルト・シェーンベルクへと連なる。

 

作品の多くは十二音技法の音列を基盤としているが、シェーンベルクやウェーベルンらに代表される厳格な無調性を追求するのではなく、その中に潜む調性的な響きや豊かな和声的共鳴を探求している点に特徴がある。また、音楽的ドラマの一貫性を重視し、規則的なリズムや印象的な旋律の反復を積極的に取り入れている。

 

これまでに作品は、ブラント・フレドリクセン、エリック・シルバーガー、ベッティーナ・フォン・ヒンデ、OneMusic Trio、ヘルヴィヒ・ツァック、ジュディス・メンデンホール、ブランドン・ライデンアワー、ジェシカ・リー、イスマール・ゴメス、スー・ワン・チーら、数多くの優れた音楽家によって演奏されてきた。演奏はニューヨークをはじめ、アメリカ東海岸・中西部、さらにヨーロッパ各地に及ぶ。

 

2018年には、ウォレス・スティーヴンスの詩に基づく歌曲集がカーネギーホールにて初演され、大きな成功を収めた。2024年には、ライナー・マリア・リルケの詩による歌曲作品が、ドイツ・バートキッシンゲンのリージェントバウで演奏されている。

 

長年にわたり、ニューヨーク市で弁護士として活動する一方で作曲活動を続けてきた。二つの専門的キャリアを並行して歩むことは容易ではなかったが、知的刺激に満ちた環境の中で優れた人々と働いた経験は、自身の芸術的視野を広げる大きな糧となったという。

 

また、作曲家であり化学者でもあったアレクサンドル・ボロディン、保険会社経営者としても活躍した作曲家チャールズ・アイヴズ、そして保険会社の重役として働きながら詩を書き続けた詩人ウォレス・スティーヴンスなど、複数の分野で活動した芸術家たちの存在にも深い共感を寄せている。

 

「音楽は公共性を持つ芸術である」という考えのもと、独創性と芸術性を追求しながらも、専門家だけでなく幅広い聴衆に開かれた音楽を目指している。その作品は、知性と感情の双方に語りかける音楽として、高い評価を受けている。